芸術系で文章が上手い代表選手といえば、建築家、作曲家、彫刻家あたりでしょうか。彼らの創作活動での脳の使い方と、文章を書く時の脳の使い方には共通点があるのかもしれません(何の根拠もありませんが)。一方、文章を書くことがイメージしにくいのが演奏家。演奏家はその感性の魅力でアピールしているのであって知性は必要ないから・・・などということは決してないと思いますが、それでもオペラ歌手はもちろんホロヴィッツやハイフェッツのような人がいそいそと演奏解釈についての文章などを書いている姿、などというのはちょっと想像できません。そんな中で、他を圧倒していたのがチャールズ・ローゼン。彼について「ピアノと小脳のフュージョン」などと書いている記事がありました。http://standpointmag.co.uk/node/4883/full このなかで、彼の後継者は、という部分があります。その「候補」の一人とも目されるバレンボイム。彼がNYRBでベートーヴェンについてのエッセーを発表したので、ここに紹介します。内容はベートーヴェンの本質に迫るもので、彼の演奏から常に感じられる「普遍性へのあこがれ」と通底する気がします。そして、それ以上に感心したのがその文体。素直で肩ひじ張った所が一切なく、生き生きとしたリズムをもった文章は「さすが音楽家」と思わせます。彼の文章をもっともっと読みたい、と思うところですが、指揮者・ピアニストとして超多忙な人ですからね・・・。とりあえずは演奏に集中してもらうのが、世界の音楽ファンのためということなんでしょう。Beethoven and the Quality of Courage by Daniel Barenboim
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