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島崎藤村が聴いたドビュッシー〈1914年・パリ〉

10/31/2014

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ピアノを弾くというのは知的な作業であり、ピアニストにはインテリが多いと思います。でも文章の上手いピアニストというのは意外に少ない。世界に目を向けるとチャールズ・ローゼンという最強の存在がいますが、日本では青柳いづみこさんがその代表格でしょう。ローゼンが小難しい文章ばかりを書いた(笑)のに比べて青柳さんの文章は音楽ファン以外にも読みやすいもので、広く愛読されていますね。

そんな青柳さんのプロデュースによるレクチャー付きコンサート・シリーズが面白くないわけがない。綿密に考えられたプログラムとポイントをついた解説により色々と学べるはず。ということで先週金曜日に「島崎藤村が聴いたドビュッシー〈1914年・パリ〉」という副題のついたコンサートの第二夜に行ってきました。冒頭は青柳さんのピアノ・ソロで「子供の領分」。若干綻びもあったかもしれませんが、そんなことを全く気にさせない熟達した表現で、我々はすぐにドビュッシーの世界に入り込むことになりました。そのあとは盛田麻央さんの歌。透明感のある美声と端正な表現で大満足。マラルメとヴェルレーヌの「毒」が表現されていたらさらに凄みが出たかもしれません・・・。

その日の白眉は小林美恵さんのヴァイオリンであったと思います。グリーグのソナタ第二番は民族主義的傾向が強く、軽んぜられることが多い曲ですが、そこから驚くべき豊かな音楽が表出されていました。第一楽章を中心に「再発見」されるべき曲だと痛感しました。そして続く小品集では、「ミンストレル」の上手さに脱帽。Fisの連奏のニュアンスのつけ方と音程のずらしかたを聴くだけで美恵さんの「芸」の巧みさがわかります。これは絶対にヴァイオリンのための曲である(べき)、と感じた次第です。最後のドビュッシーのソナタは、逆に本質のみの厳しい曲。小林美恵と青柳いづみこという二人の演奏家がドビュッシーの晩年の音楽とがっぷり寄つに組み、間然するところのない世界を表出していました。

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