
世界で活躍するコンサートピアニストであるアーネスト・ソーが日曜日にシンフォニー・サロンに再びやってきます。直前の中国と香港の計11都市での彼のコンサートツアーはチケットが完売で、かの地の大学では20を超えるマスタークラスを行いました。今回彼は東京にラテンアメリカのピアノ音楽という興味深いプログラムを用意してきます。妻と生後四か月のガブリエラちゃんと共に東京に到着した彼に話を聞きました。
Q. あなたはとても複雑なバックグラウンドをお持ちですね。簡単に説明していただけますか?
A. 私は香港に生まれ、ニューヨークで育ちました。父親は英国のリーズの出身で、家族は引っ越しを繰り返しました。ここ数年はロンドンとバルセロナに住んでいます。またパリについても第二の、いえ第三の、あるいは第四のかもしれない・・・故郷と呼んでいます。ともかく私に出身地をたずねないでください。
Q. でも、あなたを皆さんに知ってもらうためにもどこの出身かを特定する必要があるのです。
A. 私は100%アメリカ人です。でも今はバルセロナでヨーロッパの生活をしています。
Q. そういう人生を歩んでいらしたあなたが何故ラテンアメリカの音楽を演奏するのか、その理由をお尋ねしたい。
A. ニューヨークで育った人間にとって、南米大陸は決して遠い存在ではありません。音楽的にはラテンアメリカの音楽にはとても個性的な唄があり、これらの曲を知らずに音楽を語ることはできません。南米の各国はそれぞれに個性的な作曲家・ピアニストを生んでいます。そしてそれらに地元の伝統的な要素が加わって、ちょっと類のないような豊かで色彩豊かな音楽になったのです。
Q. どんな音楽なのですか?
A.日本の魚と同じくらい多種多様なスタイルがありますよ。初期のロマン派から複雑な後期ロマン派そして20世紀のアヴァンギャルドさらには現代の音楽まで、彼らの表現手段としてピアノは昔から今まで大変重要な楽器であり続けています。しかし私自身はロマンティックな語法による音楽のみ演奏します。聴衆の皆さんと最も分かり合える種類の音楽であり、また演奏会で取り上げるのにふさわしい知的なものだからです。
Q. 昨年はシンフォニー・サロンでロシア音楽のプログラムを演奏されていましたね。あなたのお好きな作曲家は?
A. 特に好きな作曲家というのはありませんが、自分の専門分野はあります。今はロシア、フランス、スペインそして南米の作曲家をとりあげています。
Q. 今までもずっとそうだったのですか?
A. いいえ。ジュリアード音楽院で私の先生だったジェイコブ・ラテイナーはベートーヴェンのエキスパートでした。私は彼を追いかけるようにキャリアを積み重ねてきました。歴史を振り返ると、私はベートーヴェンから六世代目の生徒ということになるのです。
Q. コンサートが本当に楽しみです。今回、東京ではどんな風に過ごされるのですか?
A. 東京には何度も来ていますが、二、三日以上滞在したことがありません。演奏家ですから旅行者のような時間の使い方はできないのです。でも今回は東京にもう少し長く滞在して日本の文化や歴史に触れたいと思っています。今日は国立博物館に行く予定です。もちろん演奏会が成功することが一番大事ですが、聴きに来られた方とも交流も深めたいと思っています。それにレッスンも楽しみです。私はこのところ指導に時間がなかなかかけられなくて・・。
Q. 指導もされるのですね、あまりそのイメージがありませんが・・・。あなたの生徒になるというのはどういう感じですか?
A. 私は伝統的なベートーヴェンの勉強をしてきました。これは私がスコア・リーディングに関してとても厳格であるということを意味します。楽譜を読むには特別なスキルが必要で、私が今のレベルになるには長い年月がかかっています。楽譜は作曲家がその創造に際して残したほとんど唯一の資料です。楽譜が読めなければ、作曲家の意図がわかるようにはなりません。
Q. 日本語でお話しできないのが残念です。あなたからレッスンを受けたい日本人の生徒はたくさんいるはずです。ベートーヴェンの七代目の生徒になるためにも。
A. 私の母国語は英語です。中国語も大丈夫です。フランス語も・・・。
Q. 最後に読者のみなさんに一言お願いします。
A. 東京の良いレストランを教えてください!
(11月26日、東京にて)
Q. あなたはとても複雑なバックグラウンドをお持ちですね。簡単に説明していただけますか?
A. 私は香港に生まれ、ニューヨークで育ちました。父親は英国のリーズの出身で、家族は引っ越しを繰り返しました。ここ数年はロンドンとバルセロナに住んでいます。またパリについても第二の、いえ第三の、あるいは第四のかもしれない・・・故郷と呼んでいます。ともかく私に出身地をたずねないでください。
Q. でも、あなたを皆さんに知ってもらうためにもどこの出身かを特定する必要があるのです。
A. 私は100%アメリカ人です。でも今はバルセロナでヨーロッパの生活をしています。
Q. そういう人生を歩んでいらしたあなたが何故ラテンアメリカの音楽を演奏するのか、その理由をお尋ねしたい。
A. ニューヨークで育った人間にとって、南米大陸は決して遠い存在ではありません。音楽的にはラテンアメリカの音楽にはとても個性的な唄があり、これらの曲を知らずに音楽を語ることはできません。南米の各国はそれぞれに個性的な作曲家・ピアニストを生んでいます。そしてそれらに地元の伝統的な要素が加わって、ちょっと類のないような豊かで色彩豊かな音楽になったのです。
Q. どんな音楽なのですか?
A.日本の魚と同じくらい多種多様なスタイルがありますよ。初期のロマン派から複雑な後期ロマン派そして20世紀のアヴァンギャルドさらには現代の音楽まで、彼らの表現手段としてピアノは昔から今まで大変重要な楽器であり続けています。しかし私自身はロマンティックな語法による音楽のみ演奏します。聴衆の皆さんと最も分かり合える種類の音楽であり、また演奏会で取り上げるのにふさわしい知的なものだからです。
Q. 昨年はシンフォニー・サロンでロシア音楽のプログラムを演奏されていましたね。あなたのお好きな作曲家は?
A. 特に好きな作曲家というのはありませんが、自分の専門分野はあります。今はロシア、フランス、スペインそして南米の作曲家をとりあげています。
Q. 今までもずっとそうだったのですか?
A. いいえ。ジュリアード音楽院で私の先生だったジェイコブ・ラテイナーはベートーヴェンのエキスパートでした。私は彼を追いかけるようにキャリアを積み重ねてきました。歴史を振り返ると、私はベートーヴェンから六世代目の生徒ということになるのです。
Q. コンサートが本当に楽しみです。今回、東京ではどんな風に過ごされるのですか?
A. 東京には何度も来ていますが、二、三日以上滞在したことがありません。演奏家ですから旅行者のような時間の使い方はできないのです。でも今回は東京にもう少し長く滞在して日本の文化や歴史に触れたいと思っています。今日は国立博物館に行く予定です。もちろん演奏会が成功することが一番大事ですが、聴きに来られた方とも交流も深めたいと思っています。それにレッスンも楽しみです。私はこのところ指導に時間がなかなかかけられなくて・・。
Q. 指導もされるのですね、あまりそのイメージがありませんが・・・。あなたの生徒になるというのはどういう感じですか?
A. 私は伝統的なベートーヴェンの勉強をしてきました。これは私がスコア・リーディングに関してとても厳格であるということを意味します。楽譜を読むには特別なスキルが必要で、私が今のレベルになるには長い年月がかかっています。楽譜は作曲家がその創造に際して残したほとんど唯一の資料です。楽譜が読めなければ、作曲家の意図がわかるようにはなりません。
Q. 日本語でお話しできないのが残念です。あなたからレッスンを受けたい日本人の生徒はたくさんいるはずです。ベートーヴェンの七代目の生徒になるためにも。
A. 私の母国語は英語です。中国語も大丈夫です。フランス語も・・・。
Q. 最後に読者のみなさんに一言お願いします。
A. 東京の良いレストランを教えてください!
(11月26日、東京にて)